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2015年03月10日

第15回 花と緑の田野口駅を楽しもう!



 静岡県中部を走るローカル線の大井川鐵道。沿線には昭和の佇まいを残す駅舎が多数あり、蒸気機関車と共に貴重なロケーションが広がっています。

 田野口(たのくち)駅は、昭和6(1931)年開業。
 立派な桜が咲くことでファンの間では有名ですが(第1回「春爛漫の大井川鐵道」でも紹介しています)、そのレトロな木造駅舎に目を向ければ屋根は切妻屋根(きりづまやね※1)、外壁は板壁で押縁下見板張(おしぶちしたみいたばり※2)や羽目板張(はめいたばり※3)、また、窓は木の枠でできており情緒ある佇まいです。

※1 切妻屋根・・・屋根の形状を表す言葉。本を伏せたような形状の屋根を指す
※2 押禄下見板張・・・壁の形状を表す言葉。雨天時に壁の水が切れるように工夫されている。駅舎の南側、東側部分の壁が鑑賞しやすい
※3 羽目板張・・・仕上がり面が垂直かつ平らになるように木の板が張られた壁


 2015年の2月下旬のある休日。
 地元の「田野口駅 花と緑の会」のみなさんと静岡県内外から集まった鉄道ファンが一緒になって駅構内の草刈りと河津桜の植栽を行いました。(※編集部注 この作業は大井川鐵道株式会社の承認を得て行われました)

 田野口駅はかつてはホームの両側に列車が入ることができる駅でしたが、いまでは片方の線路があったところに紫陽花が植えられています。この場所と線路を挟んだ反対側に河津桜を5本植栽することになりました。




河津桜の植栽。苗木のまわりに雨水が溜まりやすいよう、土手を作りながら植える


 植栽にあたっては、つるはしにスコップ、長靴も用意して進めていきます。
 もともと線路があった場所は、バラスト(線路を支える砂利)をどかしながら穴を掘ります。
 土いじりに慣れないメンバーもいたのですが(私のこと)、県外から応援に駆け付けた庭師の方の助けもあり、スムーズに作業を終えることができました。



 今年(2015年)植えた河津桜ですが、幼木の間の3~6年間は、幹の成長を助ける剪定が必要とのこと。花を咲かせ大きく成長するまで、みんなで見守っていくこととなるでしょう。そのときに、この沿線がどんな姿になっているのか、とても楽しみです。


 この田野口駅ですが「大井川流域 まちかど博物館」のひとつとして毎月一回、一般公開されています。開館予定は大井川鐵道のホームページでも確認することができます。
 開館当日は「田野口駅 花と緑の会」のみなさんが川根茶を振る舞ってくださいます。

 さらに、次回の開館日である2015年3月22日(日)には、静岡県グリーン・ツーリズム協会志太榛原支部等が主催する「春*里山はく」のプログラムの一つ「田野口駅で楽しむ手料理と田舎時間」として、地元の方が手料理を持ち寄って来館者を迎えてくれます。
 入館は無料。開館時間は、午前10時から午後2時ごろまでの予定です。



今回ご紹介した河津桜の植栽の際に地元の方におもてなしいただききました。
3月22日の開館日もきっと同じようににぎわうことでしょう


 旅行者にとって、地元の方とお話ができるのは、とても貴重な機会。
 目にしたもの、気になったものについて話しかけたら、きっと思い出に残るお話を伺うことができると思います。特に駅周辺に咲く花の開花情報は詳しく教えてもらえそうです。


田野口駅のあじさい。夏の光に輝く



☆春*里山はく
http://fujiedaonpaku.jp/categories/54c73a977777772187010000

☆大井川鐵道 まちかど博物館のページ
http://www.oigawa-railway.co.jp/oigawamachikado.html

☆大井川鐵道 田野口駅開館予定のページ
http://www.oigawa-railway.co.jp/tanokuchi_open.html




Posted by 日刊いーしず at 12:00

2015年02月13日

第14回 列車写真の綺麗な仕上げ方

|RAW撮影に挑戦してみよう!


RAW撮影後に現像処理をした写真


カメラの設定のみで撮影した写真

 2015年3月に行われる、大井川鐵道の重連運転。2014年のナイトトレイン(コラムはこちら)以来となり、およそ1年ぶりの運転です。

 貴重な重連運転の写真をより良く残すために、今日はRAW撮影をご紹介したいと思います。
 使用カメラはCanon EOS 5D、使用ソフトはAdobe Photoshop CS6 付属のCameraRawを使用しています。今回の説明ではCamera Rawを使用していますが、Adobe Lightroomやカメラ付属のRAW現像ソフトでも同様の機能が用意されています。

 RAWとはローフードなどの言葉と同じ「生」の意味があり、撮影時にカメラが捉えた光(情報)をほぼそのまま記録したデータです。
 JPEG形式で撮影するデータは、撮影時に色温度や露出、コントラスト、データ上の発色特性が固定され、撮影後に調整できることが限られます。
 これに対し、RAWデータはフィルム写真で言う「ネガ」に近く、暗室内でプリントを仕上げるのと同様、手作業で写真画像を作り出すためのデータ形式と呼べるでしょう。

|RAW撮影の実際

 RAWデータによる撮影はJPEG撮影と同様でOKですが、蒸気機関車撮影で気をつけたいところは、露出(※1)過多による煙部分の白とび(※2)です。

 沿線の千頭行き列車の撮影スポットは列車の背景が明るくなる場所が多く、黒い機関車をオートで撮影すると車体は明るく写り、白く吐き出された煙は真っ白にとんでしまう事があります。

 これはカメラが機関車を「黒い」のではなく「暗い」と判断した時に起こるのですが、これを防ぐためには、列車が来る直前の露出でテスト撮影を行い、問題がなければそのときの露出よりもわずかに暗めに(※3)写るように撮影すると煙部分が白とびしないRAWデータを得ることができます。
 なお、この場合は露出の設定値が固定できるマニュアルモードで撮影を行います。

※1  露出・・・カメラに取り込む光の量、シャッタースピードと絞り、感度の組み合わせのこと
※2  白とび・・・明るい部分のデータが記録されていない状態。反対に、暗い部分のデータが記録できないことを「黒つぶれ」という。録音でいうところの音割れに近い状態
※3  暗めに撮影するには、シャッタースピードを速くする、絞りを絞る、感度を下げるといった方法がある

|撮影後にRAWデータを観察してみる


Adobe photoshop CS6 付属のCamera Raw

 上のスクリーンショットは千頭駅で撮影した重連運転後の機関車を開放したときの画像をCamera Rawで開いたもの。まずパネル右上のヒストグラムを確認します。



 ヒストグラムは画像内の明るさの量をグラフにしたもの。グラフの右側から左側へ行くに従って、明るい(ハイライト)部分から暗い(シャドウ)部分のデータ量を表示しています。
 グラフによるとこの画像は暗い部分が多いことがわかります。これは画面の大半を黒い蒸気機関車やホームの人影が占めているからだといえます。

 また、グラフの右側を見ると白とびしている部分があることもわかります。この白とびはヘッドランプの部分で高輝度な部分、つまり、とんでいることで明るさが表現できている部分といえます。

|RAW現像の実際/ハイライト、シャドウのコントロールで煙の質感を出す



 この画像の中で気になるのは明るい部分(ハイライト)の調子です。調子とは階調再現の状態を指す言葉ですが、基本補正タブのハイライトを下げていくと画面内の明るい部分の質感を調整することができます。この画像では、ハイライトタブをマイナスに振ることによって、C11 227の蒸気発電機からの煙の階調とC11 190の煙の階調を表現してみました。

|補正ブラシで、ディティールをアップさせたい箇所をコントロールする



 補正ブラシを使って、さらに各部の調子をコントロールします。補正ブラシを使うと特定の場所のコントラストやハイライト部分、シャドウ部分の調子をはじめ色味などを含めて細かくコントロールできます。
 この画像に対しては、2両の機関車の煙部分の調子と、ディティールが見えづらくなっているC11 227の先頭部分を少し明るく補正してみました。

 ホワイトバランスを含めた調整画像を比較してみるとその差は大きく、撮影意図を明確にした画像を作ることができるでしょう。




Posted by 日刊いーしず at 10:31

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