2014年12月04日
第10回 鉄道模型で楽しむ大井川鐵道
静岡県中部を走るローカル線の大井川鐵道。
今夏はアジアで初めてトーマス号が運行され全国的にも注目を集めました。
冒頭の写真は大井川鐵道トーマス号のNゲージ規格の模型です。
といってもメーカー製造の市販品ではなく、模型を趣味にされている静岡市駿河区のNさんが個人で制作したものです。
今回は、模型歴12年のNさんから伺った大井川鐵道の模型の話題を中心にお届けしたいと思います。
注)Nゲージとは線路幅が9ミリ、実物の車両を約1/150サイズにした鉄道模型で実際に走行させることができます。
|実車にあわせて模型の仕様を変更するこだわり
大井川鐵道の車両たちは、他の路線で活躍した車両が主です。
蒸気機関車や旧型客車は国鉄(現JR)、電車は各地の私鉄からやってきました。
けれどもそのままでは運転できない場合もあり、大井川鐵道の線路で走れるよう新金谷車両区で整備士による作業が行われ保存運転が行なわれています。
このため、完成品模型としての大井川鐵道の車両は、ほとんど製品化されていないのですが、Nさんは大井川本線に入線した車両の細部を写真にするなど現車を確認した上で、模型化しています。
写真の模型の車両は、旧型客車と大井川鐵道で以前活躍した車両たちです。
たとえば、一番左の旧型客車は、模型メーカーのKATO製品を元に大井川鐵道の特定番号の特徴が再現されています。右から三番目の伊豆箱根鉄道からやってきた1000系電車は列車無線アンテナの設置や行き先板なども取り付けられています。
|手作りのトーマス号
さて、トーマス号ですが、どのように作られたのでしょうか。詳しい制作方法については、模型の専門サイトに譲りますが、Nさんによると、実車と同様に蒸気機関車のC11を元にしているのだそうです。
C11形蒸気機関車(KATO製)
この模型を元に、カラーの変更、ヘッドライトの移設、ボイラー両側の水タンクの前にある半円形の飾りの取り付けが行なわれました。もちろん、トーマスの顔も取り付けられています。
なかでも、特に動輪と車体の加工ですが、動輪は走行できるように(※1)塗装時に、丁寧にマスキング(※2)すること、半円形の飾りは左右で厚みが異なるところなどがポイントだそうです。
※1 Nゲージは車輪から集電して走る作りになっています
※2 マスキングとは塗料をのせたくない場所をテープなどで覆うこと。仕上がりに大きく影響するので念入りに行なう
テープでマスキングされた動輪とシリンダーカバー
塗装が済んだ動輪(Mr.カラー34 スカイブルー)
塗装は白(タミヤ ホワイトサーフェイサー)を車体に噴いた後に、前部をマスキング、赤(Mr.カラー3 レッド)で塗装して、赤いラインを残すためにマスキング、このあとスカイブルー(Mr.カラー34 スカイブルー)と3回塗装されている
静岡駅ビル内の模型店のレンタルレイアウトで走行。素晴らしい出来映え
|初心者にも楽しめる完成品模型もある
大井川鐵道3000系 塗装済み完成品なので箱を開ければすぐに楽しめる
ほとんど販売されていない大井川鐵道の完成品Nゲージ模型ですが、2014年の夏にTOMYTECから「鉄道コレクション大井川鐵道3000系2両セット」が発売されました。塗装済み完成品で別売りの動力パーツを組み込めばNゲージ規格の線路を走行させることが出来ます。行き先板は取り付け済み、列車無線アンテナも付属し、1mmドリル(ピンバイスとも呼ばれる)で穴あけ加工して取り付ける仕様になっています。
こちらは、大井川鐵道のオリジナルグッズを販売するDaitetsu Online Shoppingでも取り扱いがあります。
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Posted by 日刊いーしず at 12:26