2014年07月22日
第6回 納涼「生ビール列車」乗車レポート!
夏になると全国各地で走る納涼列車ですが、ここ大井川鐵道の「生ビール列車」は、お座敷車と展望車(サロンカー)が連結された豪華な編成です。電気機関車が牽引し、新金谷と千頭をおよそ3時間で往復する企画列車です。
コラム第六回の今回は、2013年8月17日に乗車した「生ビール列車」をレポートします。
なお、2014年の運行は金、土曜日を中心に8月9日までの予定です。
|お座敷車、展望車とは?
お座敷車両 ナロ80 二等車を示す青帯が特徴
お座敷車両の車内は椅子の代わりに畳が敷かれています。いわば「走る宴会場」で、通路から小上がりになっています。天井は丸みを帯びていて、窓には提灯が飾られ、壁には日本家屋と同じように腰板もあります。
展望車 スイテ82車内 スは重量記号、2文字目以降のイ、テは一等展望車を示す記号
展望車は、ひじ掛けつきのソファーと4人掛けのコンパートメント、そして車両の後端には展望デッキがあります。
展望デッキの柵は大人の腰上くらいまであるので小さなお子さんでも安心でしょう。
ところで、この車両は、昭和初期の国鉄が走らせた「燕」「富士」といった優等列車に連結されていたものと似ています。遠くに出かけること自体が特別な時代。著名人たちは、出発の際にこうしたデッキから見送りの人に手を振ったのだそうです。
今日は、このデッキからも流れる景色も楽しむことができそうです。
|お座敷車で仲間とおしゃべりを
走る宴会場の車内は、列車の揺れも手伝って楽しいひとときに
今日の主役、つまり、生ビールですが、車両の出入口近くにあるサービスカウンターからやってきました。飲み放題。そして、レモンサワーも飲み放題。おつまみ付きなのですが、小さなお弁当と言っても良いくらいの内容にびっくりです。給仕係も気さくな方ばかりで、注がれたビールを見ているだけでワクワクしてきます。
この列車は飲食物の持ち込みもOKなので、好きなお酒や食事と一緒に楽しむことも可能です。
定刻18:00。列車がゴトリと揺れて発車とともに乾杯です!
|展望デッキに行ってみる
空に月が見えた(写真左) 薄暮の中をゆく(写真右)
夕暮れ時の大井川沿い、列車は夏草の香りの中を進みます。踏切を通過するたびに聞こえるカンカンという音、ひぐらしもカナカナと鳴いています。大井川の水面や茶畑の緑は、日が暮れるにつれて色を濃くしながら流れていきます。
そして、車内に吊るされた提灯も程よい明るさで、鉄路の匂いも感じられるのです。
この日の日の入りは18時30分過ぎ。下泉駅を過ぎる頃、あたりはすっかり暗くなり、夜風が涼しくなっていきました。
|千頭駅で一息入れよう
折り返し駅である千頭駅には19:13に到着。
機関車は到着すると機回し作業を始めました。列車の前にも後ろにも運転席がある電車と違って、機関車が新金谷側に連結され客車を引っぱります。最近では、この機回し作業が見られる路線も数少なくなりました。
ほろ酔いで改札の外に出てみます。この日、駅前では地元の盆踊りがあって赤々とした提灯が印象的でした。
夜の千頭駅。今年は、きかんしゃトーマスのヒロもいるはずです。
|オハフ33 215
(写真左)白熱灯の車内、ノスタルジックな絵作りが出来る(フルサイズ一眼レフ 1/50秒 f2.8 ISO6400)
(写真右)三等車と書かれたガラスの扉の向こうは客室
生ビール列車は、お座敷車と展望車の他にSL急行かわね路号で使われている旧型客車も数両連結されています。自由に利用できるのですが、この日はオハフ33 215という客車も繋がっていました。35系と呼ばれる客車のシリーズのうちのひとつで、壁や椅子の木枠はニス塗り。床も木が張られています。ほんのり光る白熱灯が車内を照らし、時代を超えた旅をしているような気分です。そして、この光で写す写真は、とても印象深くなるのです。
今年で運行30周年の納涼「生ビール列車」。
飲んで撮って賑やかな旅!夏の風物詩です!
大井川鐵道 納涼大井川「生ビール列車」
詳細はこちら≫http://www.oigawa-railway.co.jp/choice_tour.html#beartrain
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Posted by 日刊いーしず at 12:00